英単語が覚えられない人必見!「英単語の正しい覚え方」

英単語を覚えるのに「書く」「読む」「聞く」のどれが一番良い方法なのだろうかと思ったことはないでしょうか。おそらく、この記事にアクセスしてくださった人の多くは考えたことがあるか、あるいはその答えを探している所だと思います。

しかし、覚える方法は正直何でも良いのです。人には向き不向きがあるので、「書く」「読む」「聞く」の中で万人に適応する方法はありません。ぶっちゃけた話、「正しい覚え方」を意識すればどの方法でも覚えられます

実際、過去に私が教えてきた生徒は、書いて覚える人もいれば、見て覚える人もいましたし、覚え方は千差万別でしたが、その正しい覚え方を実践できた人は、どんな方法であれ、英単語を覚えられていました。

今回は、これまで1000人以上の受験生を指導してきた私の経験を元に、英単語の正しい覚え方を紹介していきます。

そもそも人間はどうやってモノを覚えるのか

まずは、人間がモノを覚えるときの仕組みを説明していきます。少し回りくどくなりますが、覚え方の根本を理解するだけで、英単語だけでなく暗記系の教科すべてに応用できます。

そもそも「覚える」というのは、一時的にものごとを覚える「短期記憶」と、長い期間の間ものを覚える「長期記憶」の2つに分かれます。学校の単語テストで、休み時間にちょこっと勉強して暗記するのが「短期記憶」で、受験生が入試に向けて英単語を覚えるのは「長期記憶」の方です。

英単語を長期記憶に入れるには、まず短期記憶に一回入れて、そのあとに長期記憶に移さなければいけません。ただし、短期記憶に入った情報の全てが長期記憶に行く訳ではなく、ほとんどは忘れ去られてしまって、脳が重要だと勝手に判断したものだけが長期記憶へと移っていきます

脳が重要と判断するのは、繰り返し触れられていたり、印象に強く残っていたりしたものです。覚える気はないのに、学校の行き帰りにみる看板が記憶に残っているのは、まさしく脳が重要だと勝手に判断したからですね。

図にするとこんなイメージになります。

ここで、さらに知ってほしいのが人間の脳のスペックです。人間の記憶容量は、長期記憶と短期記憶を合わせて約17.5テラあると言われています。あのインターネット上の百科事典Wikipediaの情報量が約1テラなので、その17倍くらいの容量です。

「マジ!?」と思った人もいるかもしれませんが、これはみんなに備わっている標準装備になります。単語帳の1冊くらい、みんな本気を出せば覚えられるだけの才能は持っているのです

一方で、残念なお知らせもあります… 脳が情報を処理する速度は、20年前のパソコンと同レベルなのです。受験生からすると、昔話すぎて想像もつきませんよね(笑)

つまり、人間の脳は、情報を入れるための倉庫は広いけど、その倉庫への入り口がものすごく狭い状態になっているんですよね。なので、脳に情報を入れるときには、先ほど説明したような繰り返しや、印象を与えるなどの工夫が必要不可欠なわけです

ここまでの話をまとめるとこんな感じ。

人間がモノを覚えるときの仕組み

☆「短期記憶」→「長期記憶」の順で情報がインプットされる

☆ 繰り替えし触れられたり、印象に残っているモノが長期記憶に移りやすい

☆ 長期記憶の容量は膨大にある

☆ 脳の処理速度は遅いので、覚えやすいように工夫する必要がある

英単語の正しい覚え方

ここまでの話を踏まえて、やっと本題です!私が紹介する英単語の正しい覚え方は、

英単語を短期記憶で「暗記」して、長期記憶へと「定着させること

です。

英単語を覚えるには先に紹介したように、まずは短期記憶に入れなければいけません。このときの作業を「暗記」と私は言ってます。一般的な「暗記」の定義を少し狭くした感じですね。

この「暗記」で重要なことは、初めて出会った単語をその時だけでも良いから絶対に覚えているようにすることです。単語をうろ覚えのままだと、脳は容赦なく不要な情報と判断して忘れていきます。なので、その時に絶対に覚えたという状態を作り出すことがまずはスタートラインになります。

スタートラインと言ったのは、絶対に覚えたとしても、そのうちの50%くらいは結局すぐに忘れちゃうからなんですよね。ただし忘れても大丈夫です。そのあとに、きちんと短期記憶から長期記憶へと「定着」させれば良いわけです。

「定着」で大事なのは、脳に「この情報は重要だ!」と刷り込ませるように工夫すること。ただやみくもに覚えようとしても脳にインプットされません。実際の入試でのアウトプットも想定しながら、脳にいろいろな刺激を与えて、長期記憶へと移す必要があります。

次に「暗記」と「定着」で具体的に重要なポイントを説明していきたいと思います。

まずはその時だけでも短期記憶に「暗記」する

繰り返しになりますが、「暗記」で重要なことは、初めて出会った単語をその時だけでも良いから絶対に覚えている瞬間を作ることです。とは言っても、その瞬間だけでも完璧に覚えるのって結構大変ですよね。

英単語を真面目に覚えようとしたことがある人なら分かると思いますが、新しい単語50語覚えるだけでも1時間近くはかかります。そこで、英単語をより「暗記」しやすくする5つのポイントを紹介していきます。

1度に覚えられるギリギリの量に区切って覚えていく

「暗記」する際に、1度にたくさんの英単語を覚えようとしても不可能です。英単語を覚える瞬間を作るには、自分が一度に覚えられるギリギリの量で英単語を覚えていくのが重要です。ギリギリの量を一度に覚えていき、最後に全体を通して覚えているかを確認していきましょう。

私の場合、英単語を50語覚えようと思うと、50語を一回ずつ見ながら何周もするやり方では覚えられません。10語ずつに区切って、その10語を何周かしてきちんと覚えたのを確認してから、次の10語に行くというのを繰り返し、最後に全体を通して覚えているかをテストしていました。

「1語ずつ覚えてしまえば良いのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、その時々は確実に覚えられても、全体を通して確認するときには忘れてしまう可能性が高いので、ギリギリの量を目指すのがポイントです。

英単語の意味を1つか2つに絞る

人間がモノを覚える仕組みで話したように、人間の脳の処理速度は遅いため、英単語の意味をいきなり複数の意味で覚えようとすると頭がパンクしてしまいます。そのため、最初に英単語を覚えるときは、単語帳の太字の意味だけに限定しながら覚えることが重要です。

1語で1つの意味を覚えるだけでも、英文中では推察して他の意味を考えることができますし、単語の元々の原議は同じなので他の意味も覚えやすいです。

他の意味については、太字の意味を覚え終わってからや、調べて出てきたときに覚えればOKです。

勘違いしてほしくないのは、他の意味を覚えなくて良いと言っている訳ではありません。その英単語に初めて触れるときに、最初のとっかかりとなる意味を1つにしぼることで、覚えやすくなるというだけです。

覚えられない単語をイメージ化する

日本語でも何を言ってるか分からない英単語ってありますよね。そういった英単語をお覚えるときに「これ何言ってるんだろ?」と思ってスルーしてませんか?それをスルーしたままにすると、長文でその単語が出てきたときに日本語は言えるけど、意味は分からないという事態に陥てしまいます

英単語を覚えるときに日本語の難しい英単語に出会ったら、まずは意味を知らべて、補足説明を単語帳に書いたり、分かりやすい言葉に言い換えたり、絵を書いたりしましょう

そういった情報を追加することで、頭の中でイメージがついて、脳の印象に残りやすくなります。

たとえば、「census」(意味:国勢調査)という単語があります。みなさん、国勢調査って知ってますか?もし分からない場合には、下のように補足で情報を付け足しましょう。

例)census 国勢調査

補足説明

日本に住んでいるすべての人と世帯を対象とする国の最も重要な統計調査

例文を英語のまま理解できるか確認する

突然ですが、英単語を覚える目的は何でしょうか?それは英語を読めるようにするためです。英単語の意味を覚えても、実際の英文のなかで意味が出てこないんじゃ使いものになりません。

暗記するときも、英単語の意味を覚えてるかのチェックとともに、単語帳に載っている例文を英語のまま理解できるかの確認もしましょう。このとき、英文を日本語訳せずに英語のまま意味を理解できるかが重要です。

日本語訳して何とか理解できたり、理解するのに時間がかかったり場合には、それはまだ「暗記」したとはいえません

たとえば、「senior」(意味:年上の)の例文で「senior member of the club」をそのまま理解して、「部活の先輩」をイメージできればOKです。逆に、文の後ろから「部活の先輩」と日本語訳したり、「senior」のところで突っかかったりしたら、もう一度覚えなおす必要があります。

「senior member of the club」→ 「部活の先輩」をイメージできればOK

最後に覚えられたか自分でテストして数値化する

ここまで4つの「暗記」のポイントを説明してきましたが、その4つを束にしてもそれ以上に重要なのが、テストをして自分がどのくらい覚えられたか数値化することです。

おそらく、英単語を覚えられていない人の大半は、この作業が抜けていると言っても過言ではありません。覚えた気になっているだけで、実際には全然単語を覚えていないことがよくあります。これは、自分の「覚えた」を数字として客観的に判断していないために起こるのです。

覚えるときに自分なりにでもテストを行うことで、何%覚えることができたのか客観的に分かるので、もう一度覚えなおすべきなのかを判断することができます。

たとえば、最初のポイントで説明した50語の単語の暗記を例にとると、私の場合は10語を1セットとして2つのテストを行います。1つ目のテストは、英単語を見て意味が言えるかを見るものです。ここで10問全問正解できれば合格ですが、1問でも間違えたらもう一度覚え直します。

このテストに合格できたら、次にその範囲で例文を英語のまま理解できるかもテストします。これも同じく10問正解できれば合格で、1問でも理解がおぼつかなければもう一度暗記し直します。

ここまでを1セットとして、5セット行います。5セット目まで行ったら最後に50語まとめて、意味を言えるかのテストも行います。これが最終テストです。

このとき、正答率が90%以上であれば、間違えた問題だけをもう一度覚えなおして再度テストを行います。90%を切った場合には他の単語の意味もあやふやな場合が多いので、50語まとめて復習をしてからもう一度50語まとめてテストを行います。

こういった具合に、区切りの良いところでまとめてテストを行うことで、忘れている単語の抜けを減らすこともできますし、確実に短期記憶へと単語を送り込むことができるのです。

短期記憶から長期記憶へ「定着」させる

短期記憶へときちんと「暗記」できた後は、「定着」の番です。「定着」とは、短期記憶に入った情報を長期記憶に入れていく作業になります。要するに、英単語を覚えているかの確認ですね。

「定着」の目的は、短期記憶に入れた知識を長期記憶に入れることプラス、その知識を実際の試験で使いものにすることも兼ねています。英単語帳の順番で単語を覚えていて、その単語が単体で出てくると意味が分からない事はよくありますが、それではその知識は使いものにならない訳です。

入試問題では長文の中から出てきたり、リスニングとして出てきたりするので、それを意識した練習をすることで本番でも使える知識となっていきます。さらに、1つの単語に対して、いろんな角度から刺激を脳が受けることでより印象にも残りやすくなるため、覚えやすくもなります

「定着」をするときはアウトプットの仕方を意識する

「定着」をする段階では、本番を想定したさまざまな練習、つまりアウトプットを行っていくことが重要です。具体的なアウトプット方法を紹介していきます。

① 英単語のアプリで覚えているか確認する

アプリがない単語帳もありますが、アプリがあるなら有料でも絶対に使用した方が良いです。アプリを使うメリットは2つあります。

1. 英単語をランダムに表示して覚えているかチェックできる

2. どれだけ覚えたかが自動で数値化されるので、より客観的に自分を評価できる

まず、「暗記」の段階では書き込みもすることを考えると紙で覚えるのがおススメですが、「定着」では何も情報が書かれていないアプリ上で行う方が覚えられているかをより確実にチェックできます

紙で覚えているかの確認をすると、どうしてもページの位置や前後の単語から推察してしまいますが、アプリでの確認ならランダムに表示する機能がついているので、そういったことは起こりません。

また、アプリではどの問題を間違えたのかを数値として示してくれるので、どのくらい覚えているかを確認するにはもってこいです。紙で覚えられていても、アプリにすると自分が結構多くの単語を忘れていることに気づかされます。

② リスニングで覚えているかを確認する

大学受験の英語はReadingだけでなく、Listeningでも出題されます。紙面上で覚えていると、どうしても間違った発音で覚えてしまうことがあるので、本当に正しい発音で覚えられているのかを確認する必要があります。

確認するときに音声をただ聞き流すだけではなく、音声を聞いた後に自分でも声に出して言いながら、その単語の意味を理解できているかを確かめましょう

そうすることで、音を聞いて単語を理解できる脳の神経回路が出来上がるので、リスニングの試験にも対応することができます。

③ 例文を英語のまま理解できるか確認する

これは、「暗記」のポイントでも書いたことですが、「定着」の段階でも例文中から英単語の意味を理解できるかを確認しましょう。最終的には英文の中で理解できれば、その単語が長文などで出てきても使えるようになります。「定着」の最終系のアウトプットとして、例文の意味理解はかかせません。

2週間後も覚えている状態を目指す

短期記憶に入れた情報を長期記憶に入れるには、繰り返しその情報に触れることが重要だとお話しました。実際、そのことを経験上知っているとは思いますが、どのくらいのペースで定着させていけば良いのか分からない人は多いと思います。

英単語を定着させる上で意識してほしいペースは、2週間後も覚えている状態を作りだすようにすることです。「2週間後も覚えている」という目標を持つことで、他の計画とも折り合いをつけながら定着させることができます。

よくある単語の復習方法として、1日後、3日後、1週間後などと復習の日程をあらかじめ決めてしまうやり方があります。ただ、こういった方法は、2週目、3週目になると復習ばかりになって、次の範囲に進めなかったり、逆にその復習量では足りなくて全然覚えられなかったりすることがあります。

「2週間後に覚えている」という目標を持てば、自分の暗記状態や他の勉強の兼ね合いを見ながら、「定着」させる時間を柔軟に決めることができるはずです。暗記の段階で長期記憶に移っている単語が多い範囲は少しでいいし、見慣れない英単語ばかりのところは、いつもより多めに定着に時間を使うことができます。

私の場合には暗記を行った次の日に必ず「定着」を1度行いますが、他は2週間後までの間で2~3回程度、定着させるイメージをもっています。実施する日程としては、暗記をしてから3~4日後だったり、1週間後だったりします。

たとえ、定着を始める前の段階で覚えられていなくても、その定着を通してまた完璧に覚えられるようにすれば良いので、「定着をする段階では多少忘れてもいいや」という意識で行っています。逆に定着をする前の段階で覚えられている英単語が多いと、あまり収穫のない時間だったなと思ってしまうほどです。

選択と集中で分からない単語を徹底的に復習する

「定着」の最後のポイントは、なかなか覚えられない単語に時間と労力を集中させることです。こんなにも覚えようとしているのに、どうやっても覚えられない英単語ってありませんか?

そういった英単語を対処するのに、まず大事なのが覚えられない英単語を仕分けることです。つまり、分からない単語をリストアップして、自分の苦手な単語リストを作りましょう。覚えられない英単語を何度も書いたり、唱えたりしている人は多いですが、ピックアップしてリストにしている人は少ないように感じます。

リストを作ったあとは、そのリストを一日に何回も見るように工夫していきます。家のトイレの壁に張ったり、スマホの壁紙にしたりして、とにかく目につくところに貼るのがおススメです。また、覚えられない単語をスマホのロック画面のパスワードに設定したり、リストの単語を覚えているか通学中に自分でテストしたりするなど、見るだけでなくアウトプットを意識するとさらに効果的です。

まとめ

以上が「英単語の正しい覚え方」でした。最初にも書いたように、英単語を覚えるのに「書く」「読む」「見る」のどの方法でも構いません。大事なのは人間がモノを覚えるときのメカニズムを理解して、「暗記」と「定着」の両方に意識を向けて英単語を覚えていくことです。

英単語を覚えれば、それだけでかなり英語力は伸びます。英単語は受験勉強の登竜門的な立ち位置ですが、そこできちんとした単語力を身に付ければ、一気に英語の力が飛躍するはずです。

「英単語の正しい覚え方」

英単語を短期記憶で「暗記」して、長期記憶へと「定着」させること

英単語を「暗記」するポイント

  • 1度に覚えられるギリギリの量に区切って覚えていく
  • 英単語の意味を1つか2つに絞る
  • 覚えられない単語をイメージ化する
  • 例文を英語のまま理解できるか確認する
  • 最後に覚えられたか自分でテストして数値化する

英単語を「定着」させるポイント

  • 「定着」をするときはアウトプットの仕方を意識する
  • 2週間後も覚えている状態を作り出す
  • 選択と集中で分からない単語を徹底的に復習する